スペインという遠い国で生活をすると、日本では味わえないような体験をすることになります。
留学当初はすべてが新鮮で、楽しい体験となるでしょう。
しかし、いつもポジティブな出来事ばかりではありません。
日本で当たり前だったことが、スペインでは当たり前でないことが良くあるのです。
今回はスペインでの留学を通して実感した、文化の違いを紹介します。
- シエスタ
- 夕食時間が遅い
- 床掃除は水拭き
- トイレが二つある
Contents
シエスタの国 スペイン
世界中で知られているスペイン語の有名な単語と言えば、シエスタ(昼寝の意)でしょう。
お隣フランスでは、昼寝の事をスペイン語の単語をそのまま借用して「シエスタ」と言います。
それほどスペイン=昼寝というイメージがあるのでしょう。
シエスタというのは、本来灼熱の国スペインにおいて、日中の一番暑い時間帯に屋外で作業をすることが危険だったため設けられた休憩時間です。
2~4時間という長い昼休みを利用して、スペイン人たちは家でゆっくりと昼食をとり、昼寝まで済ませていたのです。
この長い休憩文化は近代化した社会でも根強く残っており、会社勤めの人も昼にはいったん自宅に帰って家族と一緒に昼食をとることが普通でした。
ところが、国際化の流れからいつまでもスペインだけ長い昼休みをとっているわけにはいかなくなってしまいました。
最近では何時間にも及ぶクラシックなシエスタをとる人は少なくなったようです。
しかし、ちょっぴり時間にルーズなところがあるスペイン人。
今でも昼休みはとっくに終わっているはずの時間帯なのに、店員さんがなかなか戻ってこない…ということがよくあります。
意外なことにスペイン人は、「シエスタをしている分、他の国よりも遅くまで仕事をしなくちゃいけなくて大変だ!」と主張します。
週35時間の労働時間や17時までの勤務時間が厳しく定められているフランスと比べて、スペインはシエスタをとる分、20時ごろまで仕事をするのだそうです。
ところが営業時間が17時までと決まっている郵便局や銀行なども、閉店時間の10分前にはすでにシャッターが閉まっているなんてことも。
シエスタの時間云々というのは建前で、本音ではいつでも早く店を閉めてしまいたいのでしょう。
そんなスペイン人たちの気まぐれな営業時間に対して、私たちはゆとりを持った行動を心がけなくてはいけません。
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スペインは夕食時間が遅い!
スペインは夏至のころに日没がとても遅くなります。
一番遅い時期では、辺りが完全に暗くなるのが夜の10時過ぎくらいです。
僕がスペイン留学中に驚いたのは、子供たちが夜遅くまで公園やビーチで遊んでいる光景でした。
スペインは夏休みが長いので、子供たちにとって夏は夜遅くまで遊べる素晴らしい季節ですね。
日没時間が遅いと、夕飯を食べる時間も遅くなります。
夏のスペインでレストランが混み始めるのは日没を過ぎたあたり、つまり夜の10時以降です。
それからみんなゆったりと、夜中までディナーを楽しむのです。
日本での夕飯はだいたい7時頃でしょうか。
留学中に日本と同じ感覚だと、早すぎるためレストランが準備中であることが良くあります。
単純に食事の時間を遅くすればいいと思うかもしれませんが、問題はそう簡単なものではありません。
私たちの体内時計は精密で、夜の7時に夕飯を食べるという習慣は体にインプットされているようなのです。
遅い時間に連日食事をしていると、だんだんと体が疲れてきてしまいます。
さらにスペインの夏はかなり暑いため、食欲が落ちて体調を崩しかねません。
こうしたときに役に立つのが、南スペインの料理です。
アンダルシア地方などの灼熱の地域で生み出された料理は、暑くて体力が衰えているときにぴったり!
例えばトマトやニンニク、キュウリなどの野菜をミキサーにかけたガスパチョ。
ガスパッチョは飲むサラダとも言われていて、留学中の食欲のない時でも簡単に栄養を補給することができるのです。